話題の「シッコ sicko」を観てきた。
http://sicko.gyao.jp/Sicko とはアメリカの俗語で「病人、精神病者、変質者」などを意味する。留学中にそんな言葉をきいたような気もするけど、まちがってもカタギの人間が使うような言葉ではないと申し添えます。
怖い映画でした、とても。前回の「華氏911」とは比べ物にならない。「911」は義憤のようなものを感じたような気もするが、テロはどこかで他人事であった。
でも、今回は医療保険というテロよりも身近な話題である。医療費が払えなくて、点滴やチューブをつけたまま病院からタクシーに乗せられて貧民街に捨てられたり、「(チェーンソーで切り落とされた)中指の治療は700万円、薬指なら120万円。どうされますか」などという決断を迫られるのだ。お金で命を買うというが、この人は薬指だけを買った。
詳しいことは映画をごらんいただきたいが、つまり保険に加入しているからといって安心できない、というより、運よく保険に加入できても、保険会社は保険金を支払わないようにありとあらゆる手段をつかっているということである。その結果、目の前で娘が死んでいくのを黙ってみているしかないという状況になる。
これを「日本は皆保険制度だかから、だいじょうぶ〜」などと悠長にかまえていられるのだろうか。わたしはそうは思わない。なんとなく、ジワリジワリと、でも、気がつかないところではハイスピードで弱者の切捨てが始まっているのではないかと思う。
実は、この映画ではないがわたしもアメリカでは保険に痛い目にあわされた一人である。